カンボジア道中記

たやまん、まっすーの「カンボジア道中記」

第5話「たやまん、まっすーの一番長い日」

<2014年11月24日13:30 ピーロム中学校に到着>


昼食を終え、暴れるお腹を抱えて2校目の「ピーロム中学校」を視察。ここはJHPが建設した学校で、雨期になると、大雨により浸水する恐れがある為、高床式を採用している。


普段は、高床の下に暑さをしのぎながら飲み物などを販売するお店が入っていて、飼い犬であろう3匹の犬が昼寝をしている。

 

校内を色々と案内してもらい、校舎の説明などをしてもらう。

 

すると、暑さと疲れと腹痛でフラフラになっているまっすーが一人で列から外れ、なぜか関係ない方へ歩いて行ってしまった。

高床式のピーロム中学校。床下には飲み物などを販売するお店がある
高床式のピーロム中学校。床下には飲み物などを販売するお店がある

田山(以下、たやまん)

「おーい、まっすー! どこへ行く!」

 

すると先ほどまで木陰でのんびり寝ていた3匹の犬が、突然——

 

「ギャワワワワワワワン!!!!!」

 

ものすごい勢いで、まっすーを追いかけてきた!

 

たやまん

「おーい、まっすー! 犬行ったぞー!」

 

フラフラだったまっすーもようやく事態に気づく。

 

 

!? ∑(°◇°; ) ハッ

 

 

増田(以下、まっすー)

「はっ!?なんで?? オレ何もしてないのにー!(涙)」

 

まっすーのすぐそばまで迫ってきた犬たちは今にも飛びかからんとしている。

青ざめるまっすー。


事前情報で、カンボジアの犬はその7〜8割は狂犬病だと聞かされていた。

噛まれたらほぼ死ぬ。カンボジアに行くなら狂犬病の予防接種が必要だと。

 

まっすー

(落ち着け、落ち着けオレ、、考えるな、感じるんだ)


犬と向き合いながら、息を殺してジリジリと後ろの校舎へ下がるまっすー


…なぜか誰も助けにこない。


まっすー

(おい!なぜ来ない! すぐ近くにいるのに!!)

 

「いや、大騒ぎしたらはしたないかなと思って♥」(たやまん 後日談


そ〜っと距離を取り、無事に校舎の中に避難することに成功。

何とか事なきを得る。


まっすー

「超〜焦ったぁぁ〜!  ちょっと〜何でみんな落ち着いてるのよ!」


たやまん

「あの犬、全然狂犬病じゃないって(笑)、だって学校で飼ってるんだよ」


まっすー

「なんだ〜! もう絶対死んだと思った」

 

確かに、いわゆる狂犬病的なヨダレをだらだら流した犬なんてあまり見なかったし、さすがに7〜8割狂犬病は大げさだろう。

 

たやまん

「はい、じゃあプレゼント♥」


まっすー

「ん? なにこれ」


渡されたのはココナッツの実だった。


たやまん

「裏で割ってたのをもらったよ。ジュースだって(指で穴開けちゃってたけどね)」

 

もらったココナッツの実(実物)
もらったココナッツの実(実物)

まっすー

「(え〜、もう何もお腹に入れたくないんですけど…)

ありがとう、、って、不味っ! あ“〜いきなりカスみたいのが入ってきた!」


いわゆる“デザート的なココナッツジュース”を想像していた我々は、その生温く青臭い液体が弱ったお腹を直撃し、お腹が“スプラッシュマウンテン”から“FUJIYAMA”に変化していくのを感じた…。


たやまん

「おーい、まっすー。こぼれてるよ、いや、こぼしてるね。ちゃんと飲まなきゃ♥」

 

まっすー涙目
まっすー涙目

まっすー

「あ、あらぁホント♥ もったいないもったいない」

 

こっそりこぼそうとしているまっすーを目ざとく見つけ、容赦なく突っ込むたやまんであった。


その横でグビグビと飲み干すJHPスタッフ。

結局そのココナッツは捨てるわけにもいかず、車中に持ち込み宿まで持ち帰ることとなる。


「道中ずっと一緒にいたので、

最後は愛着が湧きました(´∀`)」(まっすー 後日談

 

最後まで道中をともにした“相棒”ココナッツ氏(ホテルにて)
最後まで道中をともにした“相棒”ココナッツ氏(ホテルにて)

-------------------------------------


3校目 ジャヤバルマンⅦ中学・高校

日もだんだんと暮れてきて、最後に3校目の「ジャヤバルマンⅦ中学・高校」を視察。

ここは最初のバンティアイチャックレイ中学校よりもずっと都会に近い場所にあり、支援が終わっていて電気も通っている。

蛍光灯が設置されたかなり近代的な校舎だ。

教室の壁は白く、土足禁止。キレイに使うということが実践されている学校だ。

夕日に照らされ、生徒たちが放課後楽しそうに遊んでいる。

 

三階建てのかなり近代的な校舎
三階建てのかなり近代的な校舎

たやまん

「さすがに素晴らしい校舎だね。ここまでできるんだな」


まっすー

「早くあの子たちにもこういう校舎を建ててあげたいな」


支援された2つの学校を見て、我々の心はもうバンティアイチャックレイ中学校の支援で決まっていた。

ここの子どもたちはこれだけ充実した校舎で学び、かたや雨ざらしの崩れそうなトタン小屋。仕方がないが何か不公平な気がして、早く同じような環境で勉強させてあげたいという親心にも似た気持ちが芽生えていた。

 

-------------------------------------

 

キレイな校内。天井には蛍光灯も設置されている
キレイな校内。天井には蛍光灯も設置されている

すべての視察を終え、長い帰路につく。

17:00過ぎにプノンペン到着。

トイレに急行。。大惨事にはならずひと安心。


そしてカンボジアでの最後の夜。

昨夜と同じく、プロジェクトのサポートをしてくださっている株式会社淺沼組の松林氏と合流して、会食へと出かける。

 

松林氏

「どうでした? “カンボジア”を見てきた感想は」

 

カンボジアでの最後の夜を過ごす
カンボジアでの最後の夜を過ごす

まっすー

「いや〜大変でした。色々」


たやまん

「ホントに(笑)」


松林氏

「そういえば、今晩の食事どうします?

 あ、そうだ! 現地のクメール料理が食べたいって言ってましたよね?」


確かに、昨日カンボジアに来たばかりの時は

「いや、せっかくカンボジアに来たんですから、現地の料理を食べなきゃ!」

そう言ってはりきっていた。

 

たやまんまっすー

「こ、、今晩は韓国料理がいいかなぁ、、なんて」

 

結局、韓国料理の店に連れて行ってもらった二人。

食卓に着いたはいいが、昼間のダメージでまったく箸が進まない。。


松林氏

「あれ? 食欲ないんですか」


まっすー

「あ、いや、いただきま〜す」


松林氏

「そうそう、日本では食べれないでしょう。ユッケ頼んでおきましたから☆」


たやまんまっすー

「・・・・・・・。」

 

美味しそうな韓国料理が並んだのだが…
美味しそうな韓国料理が並んだのだが…

食事の後はバーで一杯。カンボジアの夜を満喫(?)。

最後まで断り下手な二人であった。

 

 

<第5話 了>